―…誰でもいい。教えてください。

「可哀想に…」

すすり泣く声がする。

―…何が、違うのですか。

「昨夜は雨で寒かったから…きっとそれで…」

その先はむせび泣く音に掻き消された。

―…あの少年や魚や果実と…。

「もう、あの美しい歌は聴けないのですね…」

立派な墓標に花が手向けられた。

―…この金糸雀は…。

 

「貴女は聡い方だ。分かっているとは思いますが、私が欲しいのはこの度の婚姻による、両国の友好的な国交…」

「分かっております」

「后を北の塔へ幽閉しろ」

「は!」