「上官命令」

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 「大事な友達なんだよ…」

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 泣きそうな顔で言われると、罪悪感が湧く。

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 私だって、ちょっと眉間にしわが寄るかなってくらいで、

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 そこまで強引に無理やり、あんたたちの仲を引き裂きたいだなんて、思ってない。

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 でも、上からの命令は絶対なんだもの。

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 「知らないわよ。私はただ、言われたことを言っただけなんだから。

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 不満があるなら、自分で言いにいけば?」

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 口下手で引っ込み思案なこいつが、あの人に楯突くなんて、

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 出来るわけないってわかってて言う私は、嫌な奴だ。

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 でも仕方ないじゃない。

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 下手に同情して手を貸すと、関係ないこっちまで巻き込まれるんだから。

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 黙ってうつむいてしまったアオイから目を逸らして、自分に言い訳をする。

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 「いつも一緒だったんだ…」

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 私に訴えられても困る。

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 「あんた、一人じゃ何も出来ないもんね」

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 苛立ちから、口調が辛辣になる。

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 「うん…」

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 泣きそうに笑うから、余計イライラする。

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 「私は清々するわ。あんたとあんたの"お友達"を見てると、無性にムカついたから」

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 「知ってる…」

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 まぁね。私は不機嫌なのを隠そうとなんてしなかったし。

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 沈黙がまた少し続いて、

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 トン

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 私たちはハッとして顔を見合わせた。

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 トントントン

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 階段を上がってくる足音。

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 間違いない。あの人だ。

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 「アオイ、それ貸して!」

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 「でもお姉ちゃん…」

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 「いいから!このままだとママに捨てられるわよ!」

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 私はアオイから、蛇の抜け殻(名前はスーくん)を奪い取り、ベッドの下に放り込んだ。

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もったいないことに、気に入って下さった方がいらっしゃいましたので、

調子に乗って第二弾を書いてみました。

与禰さんのおかげです、ありがとうございましたvv

え?蛇足ですか?お、お粗末さまでした(礼)

 

 

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