「運命の人」

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 あなたを一目見たとき、運命を感じたの。

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 生まれて初めての衝撃。

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 あなたは私の運命の人。

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 あの日と同じで、今日もあなたは私を一瞥して興味無さそうに目を逸らす。

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 その視線の先には私のいとこの恵理。

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 あなたは彼女にだけ笑いかける。

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 今は分が悪いってわかってるわ。

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 でも恵理は去年結婚したばかり。

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 どんなにあなたが思っても無駄よ。

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 今日はあなたの誕生日。

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 プレゼントを渡すのと一緒に今日こそ言うわ。

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 「結婚してください!」

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 恵理は苦笑しながら、

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 「直ちゃんはまだ10歳でしょ?もう少し待たないとね。

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 それに、うちの子もあと17年たたないと結婚できないの」

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 私のプロポーズに泣き出してしまったあなたを抱き直す。

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 歳の差が何よ。

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 姑が私たちを引き裂こうとしても耐えてみせる。

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 だから私に笑いかけて、運命の人!

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ちょっと気分を変えてポップに弾けて作ってみました。

私にはほとんど降りてこないギャグの神様が来てくれたのを記念して(笑)

 

 

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