「黒」 ―追求心―
あーそうだね。うん。
悪いのは多分俺です。
ホールドアップ。
はい。反省しております。
でもさ、後悔はしてないかな。
あ、怒った?
はは、ごめんね。
えーと、うーん、ポテチと競えるくらいには軽いかなぁ。
楽しくないことは考えないから。
だって、つまんないでしょ?
そーだねぇ、でも、そんな何百年も生きるわけじゃないし…。
どんな辛い状況になっても、そのうち終わるから。
まぁ楽しいことも同じだけどさ。
人生って短いよ。
うだうだ考えてたら、あっっという間に過ぎちゃうって思ってるんだよね。
実際、今、すごーく速くに時間が流れちゃってるし。
将来のためって言われても、うーん…楽しくないことやっても仕方ないと思わない?
そのときそのときで、楽しいことだけやっていきたいんだけどなぁ。
後悔…でも後悔すべきときも、難しいことは考えないから。あはは。
俺ってすっごく忘れっぽいし。
そうだね、これはもう俺の精神の問題かも。
大丈夫だよ。最終的に到着点は決まってるんだから。
お金もは持って逝けないし、名誉は移ろい易いもの。
愛は悲しみに変わって、智は通用しなくなる。
これはもう、自分が満足して逝くしかないか、と。
なんて、偉そうに言ってみたけど、今初めて真剣に考えたよ。
理想はね…言葉かな。
俺は言葉でありたいよ。
一瞬だけみんなを揺らして、そして掻き消える、みたいな。
その繰り返しを生きたいな。
できれば、ドライアイスのように、曖昧になって、何も残さず、昇華したい。
わがままだよねぇ、うんうん。
あー友達は多いけど…俺を嫌ってる人も多いよ。
「耐えられない」んだって。
でも、全人類に好かれるのは不可能だしなぁ、はは。
それに俺、薄情者なんだよ。
誰にでも笑うし懐くけど、浅いんだよね、全体的に。
友達のこと好きだけど、死んでもあんまり悲しくないと思うし。
泣く…あはは、無いと思うよ。
んーそれは誤解だって。必死だよ。いつも一生懸命。
だって常に楽しくあるって、なかなか大変なんだよ?
気を抜くと肩の辺りをうろうろしだす、陰気な気配を、大きくなる前に払い落として拭い取るためには、いつも新しい刺激がいるんだ。
楽しく思えるものをどんどん見つけていかないと、立ち止まったら捕まってしまうからね。
いつも全力疾走だよ。
きょろきょろしながら。
こけたら…困るなぁ。はは。
怒ったり悲しんだりも、するよ。
でも、すぐに、些細なことだよなーって思う。
楽しくないし。
だからすぐに忘れちゃうかな。
思い出せないから、不確かなんだけど、あはは。
思ってることを言葉にするのって、難しいな。
日本語は語彙が少ないよ。
さらに悪いことに、俺の頭はあんまり言葉を知らない。
痛くて吐きそうなくらい楽しい気分を、俺は求めてるんだけど、具体的に説明できないんだよね。
天国にや地獄にはあるのかな。
俺、嬉しいんだよ。安心してる。
楽しく思えなくなったら、逃げ道があるってことに。
死ねるってことは、気持ちいいベッドがあるってことと同じだよね。
気持ちいいベッドは、必ず俺に楽しい夢を見せてくれるんだ。
あはは、想像もできない夢だといいな。